■本当かな、と立ち止まる必要がある

「ネットの情報を理解して正しく活用する能力、『ネットリテラシー』を身につけるためには、批判的な思考が必要です。

 ネットの情報は、書き手の顔が見えないため、中には悪意のある書き手もいるし、あえて誤解を招く記事、目を引くために極端なことを主張する記事もあります。

 一般論のように書いている記事でも、単に一個人の体験であったり、ただの伝聞であったり、他の記事の引用であったりする場合もあります。

 それらを理解したうえで、『それは本当なのか?』と立ち止まって、疑う必要があるのです」

 藤川先生は、「あまり極端な情報には従わないほうが無難」と言います。

 情報をうのみにせず、「どこが運営しているサイトなのか」「記事に責任を負える団体・企業のサイトなのか」「情報源は何か」「誰の言葉なのか」を確認し、引用元のリンクをたどって元の情報にあたったほうがいいと藤川先生は指摘します。

「大切な子どもの健康や将来に関わることこそ慎重に、できれば専門機関に相談したうえで行動したほうがいいと思います」

藤川大祐(ふじかわ・だいすけ)
千葉大学教育学部教授。日本メディアリテラシー教育推進機構理事長。『学校・家庭でできるメディアリテラシー教育』(金子書房)のほか、ネットとの付き合い方に関する著書も多い。

※AERA with Baby 2015年10月号より抜粋