では、親子で楽しく「瞑想」するにはどうすればよいでしょうか?

●ゆっくり座って呼吸する

 背筋を伸ばして座り、お腹と肩の力を抜きます。あぐらでも大丈夫です。手は太ももの上に乗せるか、お腹に当てます。目は閉じるか、軽く前を見ます。ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹がふくらむ感覚、吐くときのへこむ感覚、空気が鼻を通っていく感覚に注意を向けます。余計なことが頭に浮かんできてもあわてず、呼吸に意識を向け直し、これを3分ほど続けます。

●体の動きに注目する

 マインドフルネスの第一人者としてイェール大学で先端脳科学研究に携わってきた久賀谷亮医師は、座ってじっと瞑想するのが苦手な場合には、「ムーブメント瞑想」という方法を勧めています。この瞑想法は、体の動きに詳細に注意を向けることで、頭の中の雑念をリセットするというものです。

 たとえば、足を肩幅に開き、「筋肉や関節がどう動いてるかな」と意識しながら、腕の力を抜いてゆっくりと下から上に上げていきます。腕を上げきったらいったん止めて、筋肉の状態や肩の開きなどに注意を向けます。そしてまた、ゆっくりと腕を下げます。これを数回くりかえします。

●同じ時間・同じ場所で
 
 久賀谷医師は「毎日同じ時間・同じ場所で、より長く続けることで効果が出てくる」といいます。

 脳の変化には継続的な働きかけが重要です。ゲームやテレビなどの誘惑が周囲にない静かな場所で、1日3分×3回を目標に、就寝前や入浴後など、時間を決めて実践します。

●触覚を刺激する

 山口教授によると、子どもにとっては触覚を使うこともマインドフルネスになるそうです。粘土遊び、土いじり、フィンガーペインティングなど、触覚を刺激する遊びから、瞑想のような効果が得られるといいます。