ストックフォトは旅行パンフレットなどでも使われている
ストックフォトは旅行パンフレットなどでも使われている

 アマチュアが撮影した写真を有料配信するサービスが話題だ。どのような仕組みなのか、どんな写真が「売れる」のか。『アサヒカメラ 6月号』で、記者が体験してみた――。

【売れるかどうか実際に見てもらった写真はこちら】

■ネットで需要高まるアマチュアの写真

「ストックフォト」と呼ばれる写真販売の形態があることをご存じだろうか。自分が撮影した写真を業者に預けて(ストック)、利用者はその中から欲しい写真に使用料を払う。撮影者は自分が好きに撮った写真を預けておけば勝手に写真が売れ、購入する側も自分でカメラマンを雇う手間が省けるので、広告業界などを中心に利用されてきた。

 いまこのストックフォト業界で、インターネットを利用して急速に売り上げを伸ばしている会社がある。それが今回紹介するPIXTA(ピクスタ)だ。同社はカメラマンやイラストレーターらを「クリエイター」と呼び、その作品を「デジタル素材」として販売している。2005年に会社がスタートし、昨年9月に東京証券取引所マザーズに上場、登録クリエイター数は19万人以上にのぼる。

 興味深いのは、ピクスタに登録しているカメラマンのほとんどが、われわれのようなアマチュアだということ。従来のストックフォトはほとんどプロばかりだった。同社コンテンツ部部長の岡洋介さんは、「もともとは弊社が創業したのは、社長の古俣大介がたまたまネットでハイアマチュアの写真を見る機会があったことです。アマチュアでも素晴らしい写真があることに気づき、絶対求める人がいるのではないかと考えました」

 購入者は広告の制作会社や一般企業などで、チラシや電車内の広告、会社のホームページ(HP)などで使う。

「とくにスマートフォンが普及してきたので、自社のアピールをHPで行う企業の需要が増えています。HPが文字ばかりだとなかなか目を留めてもらえない。そこできっかけとして、写真が必要なんです。しかもHPは更新していきますから、その都度、写真も新しく変わっていきます」

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