石破:これまで、国の審議会や有識者会議は、保育部会、医療部会などの形で別々に議論されてきた。これらの問題をトータルで議論するため、総理になったら、ただちに「社会保障国民会議」を作ります。それぞれの立場の代表者が参加して、たとえば、「国民皆保険を必ず守る」「保育は量だけでなく質も確保する」「社会保障給付費が6割も増すのでは制度がもたない」などの問題を、全員で共有する。会議では、ステイクホルダー(利害関係者)としての発言はしないこととする。

 国にとって不都合な情報でもすべて開示することを政府に義務付けます。会議はすべて傍聴可能なオープンな場での議論とし、議事録も即時公開。そうした社会保障国民会議で、保育についても対策を講じていきたい。

小林:社会保障の機能を維持する経済基盤として、石破さんは、地方の中小零細企業に注目しています。著書「政策至上主義」でも、地方で新しい産業の創出、ニッチな産業を伸ばしていくことで、雇用の受け皿ができ、日本経済の成長を支えるとしています。

石破:アベノミクスで円安になり輸出企業が利益を得られ、株高も起こった。そして、全国で有効求人倍率が1を超えた。しかし、たとえ大都市の大企業が儲かったとしても、地方や個人に恩恵がくるというトリクルダウンはあり得ません。グローバル企業はギリギリまで生産性を追求しているから、そこに余裕はない。果実は、地方の中小企業自身が生み出すものです。農林水産業、サービス業、建設業などの分野の潜在力を上げることで産業構造の転換を図り、地方・女性・人生のベテランがもつ潜在力を最大限に引き出せるようにします。

 定年退職後、第2の人生を故郷で過ごしたいという人も多いでしょう。東京で得た能力を地方で再び活かしたい人がいて、地方からの需要もある。人と仕事を結ぶメカニズムを作れば人材が地方に還流する。家族の状況が変化すれば住む家も変えていけばいい。たとえば、夫が地方に移住し、残った妻は家をリフォームして、経済的に余裕のない子育て世代と一緒に住むことなども国が後押しする。若い世代が、東京近郊で庭のある家で子育てしたいという願いも叶うでしょう。そんな夢のような仕組みを作るのが政治の役割です。

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自民党に女性議員比率の数値目標を作る