だが、そんな思いも無残に打ち砕かれ、残念な姿で発見されてしまった。小西さんが遺棄された現場は、稲岡容疑者の実家から6kmほどしか離れていない場所。土地勘のある、稲岡容疑者が死体遺棄を主導したのではないか、と目されている。

「稲岡は、地元の高校を卒業して、いろいろ仕事を転々としていました。普段は大阪で仕事をしているようでしたが『景気が悪くいい仕事がない』などとこぼしていた。むらっけがあり、なかなか1つの仕事が長続きしない性格。被害者の方が飲食店勤めと聞いて、稲岡容疑者もわりとそういう店は好きで行っているようでした。けど、殺人事件に関与しているかもって聞いてびっくり。とてもそんな凶悪なことができるようなヤツじゃない……」(稲岡容疑者の友人)

 兵庫県警は、逮捕後、森容疑者と稲岡容疑者の自宅などを朝から夕方まで家宅捜索。2人と小西さんの関係や殺害についても、調べるという。

「2人とも死体遺棄を否認している。森容疑者は運転免許がなく、稲岡容疑者が土地勘のある実家近くまで車を運転し、遺棄したのではないかとみられる。だが、お互い面識がなくこの時はじめて顔を合わせたようだ。第3の男が関与している可能性もあり、慎重に捜査している」(捜査関係者)

 誰が何のために小西さんを殺害したのか。全容解明が待たれる。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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