夏休みに夫婦や家族でレジャーに繰り出すとき、その計画も準備もすべて誰か1人に偏ってしまい、せっかくの休暇に不満を溜め込んでしまうケースが多いようだ。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦間で起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「旅行の目的」をテーマに解説する。
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ナースとして働く美緒さん(仮名、33歳)は夫と一緒に旅行に行っても、夫が全然楽しくなさそうなことが気になっていました。
「どこ行きたい?って聞いても、君の行きたい所でいいよ、と言ってくれるんですけど、計画を立てるのもホテルを予約するのも全部私の役目で、彼はただついてくるだけなんです」
夫(33歳、会社員)は「楽しくないなんてことないし、楽しいですよ」と否定します。
「私は積極的にどこに行きたいっていう意見はないのですが、妻にはあります。それなら妻が一人で決めたほうが効率がいいし、全体として幸福感が多くなると思っています。妻だって、自分が好きなようにプランできるのですから、何を怒っているのか、正直理解できないですよ」
美緒さんが「一緒に旅行に行っても一人旅にガードマンが付いてくるみたい」だと言うと、夫はこう反論します。
夫:「こう言っていますけどね、私が何か希望を言っても通ることはないので、黙っているしかないんですよ」
妻:「ちゃんと調べて言ってくれれば私だって考えるけど、あなたのは単なる思い付きじゃない。この間だって、どこか行きたいところないと聞いたら、京都御所が一般公開されるから行こうって言うんです。どこで聞きかじってきたのか実際は、公開は年に数日で、1カ月以上前にはがきで申し込まなければいけなかったんです。そんなことも調べないで、思い付きを言われたって困るんです」(注:京都御所は現在、通年公開になっているようです)
これを聞いただけでも確かに、夫の意見が通ることはなさそうですね……(苦笑)。