■17歳の久保建英も候補のひとり
また、FC東京の久保建英は日本だけでなく世界的にも期待と注目を集める存在だ。スペインの強豪バルセロナの下部組織で育った久保は、17歳になったばかりでありながら、すでにJ1の試合へ出場を重ねている。スペインメディアでは18歳になった時点(19年6月4日)でバルセロナに戻るという声も根強い。彼が欧州に戻って実績を積んでいくのならば、21歳で迎えるカタールW杯から数大会に渡って日本の中心になっておかしくない。
それに加え、Jリーグでプレーしている中ではコンサドーレ札幌の三好康児も候補か。今季、川崎フロンターレからの期限付き移籍でプレーしているが、キレのあるドリブルやパンチのあるシュートは出色だ。ただし、堂安や久保と同じ170センチほどの左利きという点で“キャラ”は被ってしまう。そうした意味では、より何かに特化した武器を持つことも必要かもしれない。
そうした意味では、ファーストトップになり得る選手の候補として、U-20W杯でプレーしたジュビロ磐田の小川航基も挙がるだろう。昨年の大きな負傷を乗り越えたばかりだが、183センチの身長があり今後の活躍に期待がかかる。まだ17歳でガンバ大阪のルーキーである中村敬斗も、レヴィー・クルピ監督が「チームの中で最もシュートがうまい」と評するほどの逸材であり、楽しみな存在になる。また、今季のJ2で得点ランキングトップを走るレノファ山口のオナイウ阿道も面白い。180センチの身長であるが、ジャンプ力やスピードといった身体能力の高さは折り紙付きだ。今季は浦和レッズからの期限付き移籍でプレーしているが、浦和に戻って不動のエースの座を手にするほどになれば、そうした大舞台への道も開けるだろう。
しかし、今大会で中心になった大迫勇也にとって次のW杯は、32歳とまだまだフル稼働の可能な年齢で迎える大会になる。このポジションの選手たちが乗り越えるべき壁が決して低くないことは、疑いのない事実だ。
一方で、その存在が忘れ去られないうちに復活をアピールしてほしいのが、昨年夏に浦和からドイツに移籍した関根貴大だ。右サイドを縦に突破する能力の高さは特筆ものだが、インゴルシュタットでは監督交代などもあり出場機会に恵まれていない。今夏にどのような決断をするかは分からないが、AFCチャンピオンズリーグですでにアジアの強豪を相手に互角以上に渡り合っている実績があるだけに、キャリアを軌道に乗せて欲しい選手だ。