大坂さんは「飛鳥くんが2位ですし、投票する人は正統派のアイドルを求めているのではないか。にぎやかしのメンバーは二の次になってしまうのかもしれない」と分析する。選挙戦の後半は「気を抜いていた連中もツイッターなどでひんぱんにつぶやくようになるでしょうね」と予想、「我々も街頭演説などでメンバーの思いを伝えていかないと」と意気込む。

 ところで、なぜ今、熱い選挙戦が繰り広げられているのか。

 入場者数の減少に悩む銀山をPRしようと結成されたギンザンボーイズ。パンチの効いたデビュー曲「ギンギラ銀山パラダイス―GGGZPDS―」を携えて地下アイドル界に躍り出た。

 昭和のアイドルをほうふつとさせるギラギラ感とキャッチーなメロディー、メンバー1人1人の作り込んだ(?) キャラクター設定などが功を奏し、たちまち話題に。18年6月現在、動画サイト、YouTubeでのPVの再生回数は11万8000回を超えている。

 デビュー以来、ハロウィーンやクリスマスといった季節ごとの仮装や、「No.40:よさぶろう」の東京旅行、地元の祭りに合わせたイベントなど、大忙しだったメンバーたち。ブロマイドを1人で十数枚購入するコアなファンが現れるなど充実した日々を送る一方で、「この程度で、本当に超スーパー地下アイドルを名乗っていいのか」と葛藤していたという。

 そんな時、デビュー曲で伝えきれなかった思いを伝えるセカンドシングルの計画が浮上。AKB48などの王道アイドルグループにならい、PV出演をかけて総選挙を実施することになったのだ。

 特設サイトでは、メンバー1人1人の選挙ポスターと政見放送を公開。選抜メンバーに選ばれたい一心か、普段は落ち着いたメンバーがよくしゃべり、はっちゃけるなど、ギャップが楽しめる。銀山の運営会社「シルバー生野」は「No.40:よさぶろう」を軽トラックに載せて市内外を回り、投票を呼びかけている。

 ところで、セカンドシングルはどのような曲になるのか。大坂さんは「FMラジオ局でかけてもらえるような、銀の力と恋愛を絡めたアーティスティックなナンバーにしたい」と話す。「色物からの脱却を目指して、ひとつ正統派アイドルとしてやっていきたい。目標は昭和のジャニーズですね」

 周辺の観光施設の集客が伸び悩む一方、生野銀山の17年度の入場者数は前年度から約1割増の約8万人だった。「ギンザンボーイズ目当てで来られる若い方や、家族で来られて、最初はテンションが低くても、ボーイズを見て『ギンザンボーイズのとこやんか!』と目を輝かせるお子様を見るとうれしいです。ボーイズから銀山にも興味を持ってもらいたい」(大坂さん)

 ほのかに下克上の予感もする選挙戦。「No.X :Shi☆cho」はPVで歌ってくれるのか? ぜひ特設サイトを見て、あなたの“推しメン”に投票してほしい。(ライター・南文枝)

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