巨漢らしいパワフルなバッティングが持ち味の西武・山川 (c)朝日新聞社
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 まもなく交流戦を迎えようとするプロ野球だが、開幕からパ・リーグを大いに盛り上げているのが西武の強力打線である。すでに「山賊打線」、「獅子舞打線」、「ネオ野武士打線」などの名称とともに騒がれているが、その中心にいるのが4番の山川穂高だ。

 沖縄県出身の26歳。昨季後半戦にブレイクすると、今季も3月・4月の月間MVPに選ばれ、5月24日の42試合終了時点で打率.286、13本塁打、43打点で、本塁打王&打点王のリーグ2冠。現日本球界ナンバーワンの和製大砲と言えるだろう。そして、その豪快なスイングとともに目に留まるのが、身長176センチ、体重108キロの巨漢(ぽっちゃり)体形である。

 昔からファンに愛されてきた巨漢(ぽっちゃり)選手たち。年配ファンが真っ先に思い浮かべるのが、浪商高時代から「ドカベン」の愛称で人気者となった香川伸行だろう。1979年秋のドラフト2位で南海に入団。非凡な打撃センスと長打力を見せる一方で、身長170センチ、体重96キロが、一時は体重が150キロにまで増加するなど、食べ過ぎによる肥満が問題視され、減量に取り組む姿が毎年の恒例ニュースにもなった。83年に105試合出場で打率.313、15本塁打、61打点をマークしてベストナインに選ばれる活躍を見せたが、それ以降は成績が下降。反比例的に重くなる体重が原因で膝を痛めたこともあり、89年にプロ10年、27歳で現役を引退。人気に見合う成績を残すことはできなかった。

 90年代での代表格は、「デーブ」こと大久保博元だろう。高校通算52本塁打のスラッガーとして水戸商業高から84年のドラフト1位で西武に入団。絶対的正捕手として伊東勤が君臨していたために満足な出場機会を得られなかったが、92年5月に巨人にトレードされると、いきなり正捕手として活躍してオールスターまで打率.300で計12本のアーチを放ち、「大久保がホームランを打てば負けない」という不敗神話も作った。だが、後半戦は息切れして失速すると、翌年以降もレギュラー定着はできず。それでも身長180センチ、体重108キロの巨体から勝負強い打撃を見せ、代打の切り札として働いて94年の日本一に貢献した。

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