■大隣憲司(ロッテ)

 戦力外からのトライアウト、入団テストを経てロッテ入りが決まったばかりの大隣も難病を患った選手である。06年の大学生・社会人ドラフトで注目選手としてソフトバンクに入団したが、13年4月に国指定の難病「黄色じん帯骨化症」であることが発覚。下肢のしびれや脱力、酷い場合には両下肢麻痺などの症状をきたすこともあり、過去に同じ病気を患って引退した選手も多い病だったが、同年6月に手術を受けた後、懸命のリハビリの末に翌14年7月13日に408日ぶりの1軍登板を果たした。さらに優勝が決まるシーズン最終戦やクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでも好投して勝利を収める活躍を見せ、チームの日本一に大きく貢献した。まだ33歳。新天地で再び復活への道を駆け上がる。

■安達了一(オリックス

 社会人の東芝から11年のドラフト1位でオリックスに入団した安達は、プロ2年目の12年にショートのレギュラーに定着して以降、走・攻・守においてチームに欠かせない戦力として結果を残した。だが、16年1月の自主トレ中に「潰瘍性大腸炎」で緊急入院。その年は満足にキャンプを行えず、シーズン開幕後も体の状態を考慮しながらの試合出場で不安が残ったままのプレーを強いられたが、7月には月間30安打を放って月間MVPに輝く活躍を披露した。翌年9月末に再入院し、今春のキャンプでも「体調第一」で調整。下痢や血便、発熱や体重減少なども伴い、国が難病に指定する原因不明の病と闘いながら、今季もグラウンドに立って結果を残すつもりだ。

■横田慎太郎(阪神

 抜群の身体能力で「糸井2世」とも呼ばれた若手外野手。鹿児島実業高校から13年のドラフト2位で阪神に入団した横田は、高卒1年目からファームで6本塁打を放つなど、その才能に磨きをかけていた。そして3年目の16年には開幕戦に「2番・センター」で1軍デビュー。だが、翌17年2月の春季キャンプ中に頭痛を訴えると、検査の結果、「脳腫瘍」が判明した。それでも約半年の闘病生活を経て、同年8月下旬に寛解。今季は育成契約となっているが、2月の安芸での2軍春季キャンプでは初日から参加し、フリー打撃も再開する予定。復活へ向けて順調に歩みを進めている。

■赤松真人(広島)

 類まれな俊足と堅守でプロ入りを果たした赤松は、阪神からFAの人的補償で08年に広島に加入。10年にはホームラン性の打球をフェンスによじ登ってのスーパーキャッチも披露した。その後もチームの切り札として活躍していたが、16年12月に受診した人間ドックで「胃がん」が発覚。翌17年1月に胃の半分を摘出する手術を受けた。その後、リンパ節への転移が判明した中、早期復帰を目指すために強い副作用を覚悟で抗がん剤治療を選択。同年7月には3軍での練習を開始し、9月には2軍練習に参加。今春キャンプでは初日から2軍で元気な姿を見せ、2月6日のフリー打撃ではサク越え弾で回復をアピール。奇跡の復活劇へ向けて力強く突き進んでいる。

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