とはいえ、終の住処と考えて入居したホームが倒産してしまえば、次の場所を探すのも大変なエネルギーを要する。入居前には(特に15年度、報酬改定前後の)ホームの財務諸表を確認すること。各数字自体の良否だけでなく、「急速に悪化している項目はないか」などに着目したい。
■まとめ
入居希望先に財務諸表の閲覧を申し出、急速に悪化した数字の有無を確認。情報公開に積極的か否かの点だけでも、体質を知る有効な材料に。看護師が少ないのに重度の入居者が多いなど、職員と入居者のアンバランスに注意。無理に重度者を入れて稼働率低下を招いている可能性もあるからだ。
解説/田中 元(介護福祉ジャーナリスト)
出版社勤務を経てフリーに。介護保険制度以前から、高齢者の医療・介護にかかる現場取材を通じ、専門誌への寄稿や講演などをおこなっている。主な著書に『安心で納得できる老後の住まい・施設の選び方』(自由国民社)、『介護リーダーの問題解決マップ』(ぱる出版)など
※週刊朝日ムック「高齢者ホーム 2018 プロに教わるやすらぎの選びかた」から