お笑いの素人である堀江がセリフを忘れないように、「読みネタ(手元にある台本を読みながら進行するネタ)」を選んだのも冷静な判断だ。少なくとも、堀江のプロデューサーであるエハラが本気で勝ちに来ているのは間違いない。

 もちろん、普通に考えれば、技術的に物足りない部分は多く、話題性だけでどこまで勝ち上がれるかは分からない。特に、最近の『R-1』は出場者も増えて大会の規模が大きくなっているため、決勝までに5回の予選を通過しなければいけない。堀江はまだそのうちの1つを勝ち上がったにすぎないのだ。

 ただ、お笑いコンテストで優勝を果たせなかった芸人が、他人をプロデュースして優勝を狙う、というのは珍しいケースだ。どういう結果になるのか興味が尽きない。(ラリー遠田)

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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