【SB】

1位:車屋紳太郎(川崎フロンターレ)

 推進力の高い攻め上がりで川崎のお家芸である中盤のパスワークに左サイドから明確なアクセントを与え、“左サイドからのパス”とも呼べるピンポイントのクロスなどで9アシストを記録。阿部浩之や家長昭博といったサイドアタッカーのサポートも精力的であり、ディフェンスの貢献も高かった。シーズン34試合フル全試合出場を果たしたことも評価に値する。勝利への貢献度は右サイドのエウシーニョも負けていないが、怪我により開幕14試合を欠場したこともあり、川崎の両SBを代表して車屋を1位とした。

2位:西大伍(鹿島アントラーズ)

 リーグ優勝にあと一歩まで迫った立役者の1人であると同時に、最終節での前半の負傷退場が非常に悔やまれる。1得点5アシストという結果以上に攻撃で存在感を発揮し、アウトサイドからの組み立てとゲームコントロールは見事だった。また相手のサイドアタッカーに仕事をさせない役割も安定しており、逆サイドからのクロスに対してもファーサイドに流れてきたボールを安定的に回収するなど地味な仕事も抜かりなくこなしていた。

3位: 丸橋祐介(セレッソ大阪)

 左サイドから高精度の左足クロスを前線の杉本健勇や山村和也に送り届け、10アシストを記録。セットプレーのキッカーとしても良質なボールでゴールを演出した。印象的な活躍を見せたのがルヴァン杯準々決勝の浦和との第2戦で、CKから先制点の起点となり、直接FKで2点目を決めた。攻撃に魅力がある選手であることに疑いはないが、ユン・ジョンファン監督のもとで守備のハードワークもしており、まずまずの安定感だった。

【CB】

1位:中澤佑二(横浜F・マリノス)

 最終的に5位に終わったものの、終盤まで上位争いを盛り上げた横浜FMで39歳という年齢を全く感じさせないデュエルの強さを発揮。プレッシングを主体とするディフェンスの防波堤として中央からの攻撃を阻止し、サイドからのクロスボールも力強くはね返した。対人戦が多く発生するポジションで警告0枚は称賛に値する。素早くダイナミックな攻撃の起点としても果たした役割は大きく、彼が良い状態を維持した上で、中盤から前の選手が組み立てや質を高められれば、来季にさらなる上位進出も可能だろう。

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CB2位以下はだれだ?