横浜マリノスの中澤佑二(左)、川崎フロンターレの車屋紳太郎(写真:Getty images)
横浜マリノスの中澤佑二(左)、川崎フロンターレの車屋紳太郎(写真:Getty images)

 川崎フロンターレが逆転優勝で見事初タイトルを手にした2017年のJリーグ。優勝争いも残留争いも最終節までもつれこむなど、見どころが多いシーズンとなった。そんな波乱の一年となった今季の選手のパフォーマンスを、各ポジション別に振り返り格付けを行った。今回はGK・DF編だ。

【GK】

1位:カミンスキー(ジュビロ磐田)

 昇格年だった昨シーズンの年間13位から6位にジャンプアップした磐田を支えたのがリーグ最少の30失点というディフェンスだった。その要として最後方から最終ラインをサポートし、その間を抜けるボールやミドルシュートを阻止するだけでなく、正確なキャッチによって相手の二次攻撃を許さなかった。チームの危機を救うビッグセーブで“神ンスキー”とも呼ばれるが、今季の後半戦にそうしたシーンが減少し、正面でのセーブが増えたのは彼の安定したポジショニングもさることながらチームの守備組織が向上している証だ。

2位:中村航輔(柏レイソル)

 数多くの名選手を育ててきた柏の下部組織でも“最高傑作”とされる若き守護神はJ屈指のGKへと成長を遂げた。1試合に何度もビッグセーブを見せる選手として話題にあがるが、そのベースにあるのは確かな観察眼と集中力であり、ディフェンスが崩れかけても慌てることなく状況を見極めている結果だ。また184cmとGKでは大柄ではないが、体の伸展能力が高く、一瞬でリーチを伸ばすことができ、強いボールも負けずに弾くことができる。上位チームと対戦時の勝負強さも高く評価できる。

3位:チョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)

 悲願のJ1初制覇を果たした川崎はリーグ最多の71得点をあげた攻撃力が売りだが、一方で失点も磐田、鹿島に次ぐ3番目に少なかったのは元韓国代表守護神の活躍によるところが大きい。ハイボールの対応に絶対の自信を持ち、ゴールエリアで相手FWにヘディングを許すケースは稀であり、ミドルシュートからゴールを奪われるシーンも少ない。特にゴールマウスの上部を狙ったシュートは恵まれた体格とタイミングの良い跳躍からのパンチングでことごく弾き返した。カミンスキーと共通するのは二次攻撃を許さないキャッチングと大きく弾くパンチングだ。自身のミスによる失点も非常に少なかった。

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SB1位はだれだ?