6年生の留年が多いかどうかは、厚生労働省が発表した「第111回医師国家試験の学校別合格者状況」を見ればわかる。厚労省のホームページに出ているが、わかりにくいため、ネットで検索して大学受験予備校や医師国家試験予備校が出している表をチェックしてみよう。

 本誌は出願者数まで載せていないが、多くの予備校が総数、新卒、既卒別に出願者数、受験者数、合格者数、合格率を発表している。

 国公立大は、出願者数と受験者数の数が同じか数人少ないところがほとんどだが、私大のなかには出願した学生のうち20人以上が受験していない大学も複数ある。

 ある医学部教授が打ち明ける。

「出願者数と受験者数の差が大きすぎると、大量に留年させていることがわかってしまうため、11月の出願前に留年を決める大学もあります」

 留年させた場合、もう一度6年生の講義を受けさせる大学と、予備校に通うことを勧める大学とがある。

 さらに、国試に不合格だったときに卒業生へのケアがない大学と、久留米大のように卒業生をマンツーマンでサポートし、丁寧にケアする大学があるなど、大学によるサポートの差も大きい。志望大のオープンキャンパスや説明会に行ったときに国試対策について質問するといいだろう。

 医師は一生学び続けなくてはならない職業だ。医師になりたいという強い意志と覚悟を持って、受験生も医学生も勉強に励んでほしい。

(文/庄村敦子)

※週刊朝日ムック『医学部に入る 2018』から抜粋

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