二つ目は、PEZY社が補助金で開発したスーパーコンピューターが、政府系の複数の研究機関によって購入されているという事実だ。ネット上で公開されているものだけでも、海洋研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構、理化学研究所という名だたる機関が購入している。もちろん、その原資は税金ということになるのだろう。

 つまり、税金で開発したものを税金で買い取るという仕組みになっているのだ。これなら絶対に失敗しないビジネスになる。

今後は、NEDOだけでなく、上述した政府系機関が捜査対象になる可能性があるし、その予算措置を講じた各省庁や財務省の関与についても捜査が波及するかもしれない。そうなると政府全体に広がる大きな事件になる。

 NEDOを所管する経産省は、既に、省内でPEZY社に関係する補助金交付の実績などが他にもないかを調査し始めたそうだ。おそらく文科省やその他の省庁でも同様の調査が行われているだろう。そこから新たな疑惑が出てくる可能性もある。

 例えば、PEZY社は高額のスーパーコンピューターだけではなく比較的安価なミニスパコンと呼ばれるような製品も販売しているそうだ。こうした小型の機器の場合は、必ずしも大型の補助金ではなく、中小企業向けや地域創生といった名目で出される小規模な補助金でその購入や利用に税金で助成するというやり方も考えられる。

 現に、経産省では、NEDOと並ぶ大規模先端研究開発機関である産業技術総合研究所が何らかのかかわりを持っているのではと囁かれているだけでなく、意外にも中小企業基盤整備機構という中小企業支援を行っている独法の関与も取りざたされている。

 今後、思いもよらないところでおかしなことが行われていたということが明るみに出る可能性は十分にある。

■政治家に飛び火か?「忖度」で終わるか?

 では、世の中が最大の関心を持っている政治家への飛び火があるのかどうかだが、霞が関では、PEZY社といえば麻生財務相というのは常識のようだ。麻生氏が同社に相当入れ込んでいるということは有名で、仮にPEZY社から補助金申請などがあれば、それは麻生案件だと官僚は認識してしまうそうである。

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政治家に飛び火か?