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緒方夕佳熊本市議が、議会に赤ちゃんを連れてきたことが大きな波乱を呼んでいる。彼女は赤ちゃんを連れての議会への出席や、託児所の設置を議会事務局に訴えてきたが、前向きな回答を得られなかったことで、今回の行動に至ったそうだ。それに対して議会の側は、議員以外の人間が議場に立ち入ることを問題視し、開会が40分遅れる事態となった。
連日のニュースで流れてくる、議会事務局スタッフが緒方市議に詰め寄って説得を試みる映像は衝撃的だった。その映像には、子育てを個人、あるいは女性の問題としてきた、この社会の有り様があらわれているようで、怒りが込み上げてきた。
だが、このニュースへの反応を見ていると、私のような反応を示した人ばかりではないようだ。市議会議員という一定の報酬をもらえる立場であれば、保育園やベビーシッターで対等できるはずだという意見や、問題提起の方法に対して疑義を呈する意見も少なくない。しかしこういった声は、子育てを個人の問題へと押し付けているだけで、何ら子育てをめぐる問題を前に進めることにはならないと思う。
私自身は、緒方市議が赤ちゃんを議会に連れていくという選択をしたことは、政治家として正しい決断であったと思う。当事者以外の人間が勝手に決め付けるのは避けるべきだが、確かに彼女には、ベビーシッターを雇うなどの形で金銭的な資源を用いることで解決したり、夫や親族、友人などの人的な資源に頼って乗り切ったりという選択肢が残されていたのかもしれない。