このように民間銀行が危機対応融資などを行う仕組みを作れば、政府系金融機関を民営化しても問題はないはずだ。その目標は7年先などという悠長なことを言っていないで、3年程度で実現すべきだ。
もちろん、それまでの間も、社長はもちろん、役職員への天下りや現役出向なども併せて全面禁止しなければならない。ありがちなのは、社長は民間人にするが、副社長や専務などの重要ポストに天下りを温存することだ。これも完全に禁止しておく必要がある。
商工中金の不正事件は、ほとんど詐欺と言っても良いような事件だが、実際には、技術的理由により詐欺でも補助金適正化法違反でも告発は難しい。しかし、利子補給の原資は税金。税金の無駄遣いが行われたのは確かで、実質的には犯罪と言っても良いくらいだ。
ところが、このまま行けば、民営化ができないのはもちろん、歴代幹部の責任追及さえ形ばかりで、一時的に社長ポストを民間人とすることでお茶を濁されて終わりとなる可能性が大である。そうなれば、小泉改革が結局骨抜きにされたのと同じことが繰り返され、気づいたら数年後には天下り復活ということになる。
結局、国民は、「安倍さんの『改革』は嘘だった」ということを、また思い知らされることになるのだろうか。