■固定費の削減が重要

 老後は収入が減った分、“家計のダウンサイジング”をする必要があります。ポイントは、保険料など固定費を見直す、支出の優先順位を決める、小遣いは減らさない、の3点です。

「毎月決まった金額が出ていく固定費を見直すことは、家計のダウンサイジング効果が大きいです。30代のときに入った保険がそのままになっていたら要チェック。子どもが独立している場合には、基本的には死亡保障は必要ありません。スマホ代は「大手通信会社から格安SIMに替えると、大幅に削減できます。当たり前のように払っていた出費を、もっと安い方法はないかと調べてみることが大事です」(横山さん)

 その他の支出も、“いままで通り”にこだわっていては、減額するのが難しくなります。食費は「その日食べたいものを買う」から「週予算を決めて、予算内でやりくりする」に。被服費はファストファッションも利用するなど、いままでのやり方を見直してみましょう。車は1カ月に2、3回程度しか使用しないなら、「車を持たない生活」を検討してもいいかもしれません。ただし、節約は続けてこそ効果があります。無理しすぎてストレスをためてしまうと、ムダ遣いに走ることも。自分のペースですすめることが大事です。

横山光昭/家計再生コンサルタント。独自の貯金プログラムで、これまでに1万人以上の赤字家計を再生。おもな著書に『節約の9割は逆効果』(朝日新聞出版)など

(文/村越克子)

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