オリックスが狙うべきは先発左腕候補のJR東日本・田嶋か (c)朝日新聞社
オリックスが狙うべきは先発左腕候補のJR東日本・田嶋か (c)朝日新聞社

 今年も運命のドラフト会議が迫ってきた。甲子園を熱狂させた“あの選手”は一体どのチームに行くのか、野球ファンは固唾を飲んで見守っている。そこで、ニュースサイト「AERAdot.」では、年間300試合以上を現地で取材する、野球ライターの西尾典文氏に球団別のおすすめ選手を選んでもらった。今回は今季パ・リーグで4位に低迷したオリックス・バファローズだ。

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 開幕直後のスタートダッシュに成功したものの、5月に19敗を喫したことが響き、3年連続のBクラスに沈んだオリックス。野手は楽しみな若手が出てきているものの、レギュラーを固定できないポジションが多い。安達了一の体調が不安な遊撃手、若月健矢以外の若手が手薄な捕手は特に手当が必要だ。投手では平野佳寿のメジャー移籍が噂されているが、クローザーには球威のある若手が多く、穴を埋められる可能性は高い。それだけに、金子千尋に余力がある間に先発の柱となる選手が欲しいところだ。

【おすすめ選手・その1】
田嶋大樹:JR東日本 投手 182cm 77kg 左投左打

 主力にも若手にも右投手が多いことを考えると、真っ先に指名したいのが田嶋だ。過去の指名を見ても社会人投手の一本釣りに成功しており、今年も田嶋を獲得できればそれだけで成功と言える。社会人でも屈指の強豪であるJR東日本で、高卒1年目からエースとして活躍しており、その実力は折り紙つき。先発タイプのサウスポーとしては間違いなく今年の候補のナンバーワンであり、1年目からローテーション入りが期待できる。

【おすすめ選手・その2】
藤岡裕大:トヨタ自動車 遊撃手 178cm 77kg 右投左打

 即戦力のショートとして期待できるのが藤岡だ。亜細亜大時代も東都大学リーグで通算104安打をマークしたヒットメーカーで、2年前はまさかの指名漏れとなったが、社会人でも着実に実績を積み重ねてきた。大学時代に比べて一回り体が絞れたことで、もともと持ち味だったスピードが戻ってきたことも大きい。トヨタ自動車の一年先輩である源田壮亮(西武)ほどの守備力はないが、パンチ力では上回っており、打てるショートとして期待できる選手だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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