
今年も運命のドラフト会議が迫ってきた。甲子園を熱狂させた“あの選手”は一体どのチームに行くのか、野球ファンは固唾を飲んで見守っている。そこで、ニュースサイト「AERAdot.」では、年間300試合以上を現地で取材する、野球ライターの西尾典文氏に球団別のおすすめ選手を選んでもらった。今回は、今季パ・リーグ優勝の福岡ソフトバンクホークスだ。
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前評判の高さ通り、最終的には独走状態で2年ぶりのリーグ優勝を飾った。選手層の厚さは12球団でもナンバーワンだが、主力の高齢化は懸念材料だ。そういう意味でも、将来の中軸候補の獲得を目指したい。
投手で気がかりなのがリリーフ陣。森唯斗、五十嵐亮太のふたりにかつてのような安定感がなく、今年は岩崎翔の負担が非常に大きかった。クローザーのサファテも来年で37歳と後釜を考える年齢に差し掛かっており、早めに手を打っておく必要があるだろう。
【おすすめ選手・その1】
清宮幸太郎:早稲田実 一塁手 184cm 101kg 右投左打
過去6年連続で投手の1位指名が続いており、将来の主砲が欲しいというチーム事情を考えても、清宮の入札に向かうべきだろう。ファーストは内川聖一、指名打者(DH)はデスパイネがいるため、すぐに一軍に抜擢されるのは難しいが、年齢的なことを考えると3年後には世代交代が必要であり、そこにうまくはまる可能性は高い。二軍に加えて三軍でも実戦の場が確保されていることも清宮の成長を促す意味で大きなプラス要因である。王貞治会長のもとで868本塁打を目指すというストーリーを見てみたいというファンも多いはずだ。
【おすすめ選手・その2】
永野将司:Honda 投手 181cm 82kg 左投左打
不足している左のリリーフとして一番に推したい投手。大学時代にヒジの手術を行い、1年浪人したのちに社会人入りした経歴を持つ。最大の武器はそのスピード。コンスタントに150キロ以上のスピードをマークし、その数字に見合う威力がある。コントロールはアバウトで安定感がないため、一発勝負の社会人では登板機会は多くなかったが、短いイニングであればストレートだけで圧倒できるのは大きな魅力である。外国人投手のスアレスやモイネロが同じタイプで戦力となっており、永野もその枠にうまくはまる可能性は十分にあるだろう。