「初めて男の人に奢ってもらいました」「こんなに扱われ方が変わるなんて」と口コミで評判。予約3カ月~半年待ちの「個人コーディネート」が話題を呼んでいるのが、ファッション・プロデューサーしぎはらひろ子さんだ。「男性が惹かれる女性の服とはどんな装いか、を勘違いしている女性が多いからこそ、知ってほしい」と、このほど『愛されリアルコーデ』を出版した。その中から、モテそうなイメージなのに悩みがあるという相談者、麗華さんの例を紹介する。
* * *
3人目の相談者は、31歳で商社にお勤めの麗華さん。麗華さんのヒアリングシートによると、今までカウンセリングをしてきた方とは違い、男性との出会いには特に困っていないことが見て取れました。ある程度モテていて、そのことを自負している女性のようです。そのうえで自分の見られたいイメージは、
「決断力のある人(優柔不断に見られるので)」
ということでした。
「優柔不断」について読者の皆さんはどうお考えですか? 物事に対する決断力には個人差がありますし、決断が速ければそれでいいというものでもありません。でもこれだけは覚えておいていただきたいのですが、実際にはそうでなくても、優柔不断に見られる(=付け込まれる)ファッションというのが確実に存在します。そして、そうしたファッションをまとっていると、往々にして損をします。
「装いや見た目は相手に与える印象に10割、影響する」
これは私がこれまで相談者へ再三お伝えしていることです。ですから、麗華さんのように優柔不断に見られがちだという方は、ぜひご自分に当てはめてこの先を読んでいただきたいと思います。
今回も、都内の某百貨店の入り口で待ち合わせをしました。麗華さんはペールトーンのトップスに、ギャザーのミニスカートを穿いていらっしゃいました。甘くかわいらしい印象で、ふんわりとした茶色の巻き髪は、31歳の女性にしては、幼く見えました。
「こんにちは、今日はよろしくお願いします」と茶色の巻き髪を触りながら明るく微笑んで挨拶をしてくれた麗華さん。柔らかな雰囲気はとてもかわいいのですが、パステルカラーを散らした色とフリルにミニスカート、そしてふわふわ~っとした掴みどころのない感じの内股歩きは、どこか自分の意思が緩やかに見える、曖昧な印象です。
しぎはら:短めなスカートとか、甘いテイストのかわいらしい洋服がお好きなのね。
麗華さん:はい、そうですね。昔からパステルカラーとか、女の子らしいかわいいファッションが好きで。似合うって言われるので、学生の時からずっと変えていません。
しぎはら:学生時代から今まで服の趣味が変わらずにきたのね。
麗華さん:そうなんです。フリルやレースとかも好きで。
しぎはら:会社へもその服装で行っているの?
麗華さん:ええ、たま~にちょっとお局さん的な人が冷たい目で見ることもあるけど、男性陣にはウケがいいんです。だからあんまり気にしたことないかもです。
しぎはら:なるほど~。じゃあ好きな服を着ているのに私にスタイリングを頼んだってことは、なにか気になっていることがあるのかしら。ヒアリングシートには、「決断力」の文字があったけど、例えばどんなことで悩んでいるの?
私は単刀直入に聞いてみました。本人がただ優柔不断に“見られる”だけなのか、それとも本当にそうなのかを知りたかったからです。
麗華さん:うーん……。なんか、あの、いきなり恋愛の話とかしてもいいんですか?
しぎはら:もちろん、構わないわよ。