一方の三ツ間は高校卒ドラフト1位の鈴木とは対照的なアマチュア時代を送ってきた。健大高崎高時代は控え投手であり、大学も東京新大学リーグで二部の高千穂大に進学。4年時には一部に昇格したものの社会人からは声がかからず、BCリーグのトライアウトを受験して武蔵に入団した。そこで小林宏之(元ロッテ)コーチの目に留まって腕を下げたことで球威、制球とも大幅に向上し、その年の6月3日に行われた西武二軍との交流戦では山川穂高、外崎修汰から連続三振を奪うなど1回を無失点に抑え込むピッチングを見せている。その後も抑え投手として最多セーブを獲得するなど、育成3巡目ながらNPB入りを勝ち取った。ルーキーイヤーの昨年は中継ぎとして二軍で結果を残し、11月に支配下登録。今シーズンは開幕から中継ぎの一角に定着すると、チーム2位の11ホールドをマークしている。6月に入りともに調子を落として登録抹消となったが、今後の投手陣を担う存在だけにここからの巻き返しに期待したい。 


 
 首位を走る広島も楽しみな若手が出てきた。先発右腕の中村祐太(4年目)と内野手の西川龍馬(2年目)だ。中村は関東一高時代の2年春にセンバツに出場し、3試合連続完投勝利でチームをベスト4に導いている。3年時は故障もあってドラフトでは5位と評価はそれほど高くなかったが、素材の良さは高校時代から光るものがあった。過去3年間は二軍暮らしが続いたが、今年は5月に初登板、初先発、初勝利をマーク。ここまで3勝をマークし先発のコマ不足に苦しむチームを救う活躍を見せている。西川は敦賀気比で1年秋からショートとして活躍し、3年春にはセンバツにも出場。卒業後は社会人の王子に進み、ドラフト解禁の3年目には3番に定着するなど順調に結果を残して15年のドラフト5位で広島に入団した。1年目の昨年は打席数は少ないながらも3割近い打率を残すと、今年は先発での起用も増加。3割を超える打率、5割を超える長打率をマークするなど細身ながらパンチ力も申し分なく、チームに欠かせない存在となっている。 
 
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