楽天・ハーマン選手 (c)朝日新聞社
楽天・ハーマン選手 (c)朝日新聞社
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 波乱含みのスタートとなった2017年プロ野球ペナントレース。その中でチームの勝ち星に直結するのが外国人の働きである。ゴールデンウイークを終えた時点での各チームの新外国人助っ人たちの出来・不出来を振り返りたい。今回はパ・リーグ編である。

 楽天が予想を裏切る快進撃を見せているパ・リーグでは、その首位チームを支える新セットアッパーに新外国人のハーマン(楽天)がピタリとハマった。開幕からルーキーの森原康平とともに守護神・松井裕樹へと繋ぐ役割を担い、ここまで14試合に登板して11ホールド、防御率2.13の好成績。ハーバード大卒の頭脳派右腕は日本野球への強い探求心とともに、イニング数を上回る奪三振数で早くもチームに不可欠な存在となっている。

 シュリッター(西武)も力を発揮している。1メートル95センチの長身から繰り出す150キロ超のストレートを武器に、ここまで中継ぎとして13試合に登板して5ホールド、防御率1.38。チームは5月に入って失速して借金生活となったが、チームの長年の課題だった救援陣に関しては、ヒゲ面の新助っ人右腕の加入で光が見えている。

 先発投手陣ではコーク(オリックス)が5試合(先発4試合)に登板して2勝を挙げたが、2敗、防御率4.57とやや物足りない数字。春季キャンプから高い評価を受けていただけに、本領発揮はこれからと言ったところだろう。開幕第3戦に先発して4回1/3を5失点(自責1)で負け投手となったエスコバー(日本ハム)は、右太もも裏の張りにより2軍で調整中。5月中の1軍復帰が見込まれる。その他、キャンデラリオ(西武)が5月2日のソフトバンク戦で来日初登板初先発も3回9安打7失点の大炎上。ウエスト、ヘルメン(ともにオリックス)、ガルセス(西武)の3投手は、中継ぎで1試合ないし2試合に登板したのみ。使えるのか、使えないのか。評価はこれからになる。

 野手陣で今季初来日してパ・リーグ球団に加入したのは、ジェンセン(ソフトバンク)、ダフィー、パラデス(ともにロッテ)、そしてロメロ(オリックス)。ジェンセンは外国人枠の影響で2軍生活が続くが、ウエスタンでは5月7日現在リーグトップタイの8本塁打をマーク。1軍で暴れ回る準備はできている。それに対して、ダフィー、パラデスは準備段階だったオープン戦では好成績を残していたが、蓋を開けてみれば日本投手の変化球の前に凡退続き。パラデスは15試合で打率.130、0本塁打、1打点で早々に4番失格となって現在は2軍調整中。ダフィーも20試合で打率.197、0本塁打、4打点と低迷して1軍登録抹消となった。

 一方、期待通りの働きを見せていたのがロメロだ。開幕から不動の4番として出場を重ね、4月4日から4試合連続アーチを放つなど、好スタートを切ったチームの原動力となっていた。しかし、4月22日のロッテ戦での守備時にフェンスに激突して左ひざを痛めて登録抹消。実戦復帰は5月末から6月になる見込みとなった。唯一の“当たり”だっただけに、復帰後の再爆発が大いに期待したいところだ。

 全体的にはインパクトに欠ける今年の新助っ人勢。ただ、まだ5月。まだシーズンは始まったばかり。彼らが実力を見せ付ける舞台は、まだまだ多く残されている。