ただし、「傷を癒そう」なんて子ども自身が思うのは、ずっと先の話です。多くの子どもはそんなことをしません。子どもは最初に闘います。自分の内面にある恐怖感や葛藤と戦います。第三者から見て、どんなに怠けているように見えても、かなりキツイはずです。
こうした姿、つまり、内面では葛藤し、第三者からは怠けているように見える自分を応援してくれる人にだけ、気持ちを話してくれます。
闘っている自分を応援してほしいんです。
その相手として子どもが選びたいのが親です。精神科医や学校の先生は、二の次、三の次。一番は親に話を聞いてほしいんです。
なので、もし子どもが苦しい気持ちを語り始めたら、親の本格的な出番です。具体的にやることも見えてきます。
その後のことについては『不登校新聞』や各地の不登校の親の会などで聞いてもらえればと思います。
まずはサインが出ていたら、そのままの状態を維持できるよう守ること。ぜひお子さんの味方になってあげてください。(文/石井志昂)
石井志昂(いしい・しこう)/1982年、東京都町田市出身。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2 年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた