明治神宮大会で本塁打を放つ早稲田実の清宮=角野貴之撮影 (c)朝日新聞社
明治神宮大会で本塁打を放つ早稲田実の清宮=角野貴之撮影 (c)朝日新聞社

 今月31日に開幕するプロ野球のペナントレース。新戦力の話題には事欠かないが、その一方で社会人野球の東京スポニチ大会、そして19日に開幕するセンバツ高校野球を皮切りにドラフト会議へ向けた各球団のスカウト活動も本格化する。今年のドラフト候補では清宮幸太郎(早実)、安田尚憲(履正社)の高校生スラッガーに注目が集まっているが、当然チーム事情によってその需要度は異なってくる。

 そこでここでは全12球団の補強ポイント、そしてそれに見合うおススメのドラフト候補選手について紹介したいと思う。まず初回は昨年日本一に輝いた日本ハムに敬意を表してパ・リーグ編から。
※選手の年齢は2017年の満年齢。

■日本ハム

【補強ポイント】
・ポスト大谷の中軸候補
・左の中継ぎ投手

 最大の補強ポイントは“ポスト大谷翔平”だ。今シーズン終了後のメジャー移籍が既定路線であり、エースとクリーンアップを同時に失うことになる。長期的な視点でチームを作り、結果を残し続けてきた球団なだけに慌てることはないが、その穴が大きいことに変わりはない。まず投手だが、有原航平(25歳)、高梨裕稔(26歳)と二年続けて先発投手が新人王を獲得したのは大きなプラス要素。他にも若手に実績のある加藤貴之(25歳)、上沢直之(23歳)が控えており、上原健太(23歳)、石川直也(21歳)の二人も浮上の兆しがある。ある程度備えはできていると言えるだろう。一方の中軸打者は正直心もとない印象だ。昨年二桁ホームランを放ったのはレアード(30歳)、中田翔(28歳)、大谷の三人のみ(14本塁打の陽岱鋼は巨人に移籍)。二軍では横尾俊健(24歳、15本塁打、長打率.485)、渡邉諒(22歳、10本塁打、長打率.497)、髙濱祐仁(21歳、8本塁打、長打率.414)などが結果を残しているが、経験不足の感は否めない。

 大谷の穴以外の補強ポイントとなると左の中継ぎが不安要素となる。宮西尚生(32歳)は9年連続50試合以上登板の鉄腕だが、そろそろ勤続疲労が心配な年齢になってきた。実績のある石井裕也(36歳)も完全なベテランであり、トレードで公文克彦(25歳)を獲得したものの若手では高卒ルーキーの堀瑞輝(19歳)くらいしか候補が見当たらない。早めに手当てしておきたいところだ。

 このような現状を考えるとまず補強したいのはスラッガータイプの野手ということになる。そして幸い今年はその人材が珍しく豊富である。スケールのある選手をことごとく大成させてきた実績を考えると、やはり真っ先に向かいたいのは清宮幸太郎(早実・一塁手)ということになる。ホームランに注目が集まるが、ミート力の高さも極めて実戦的。そして打者としてのスケールという意味では中田以来の大物であり、その中田を一本立ちさせたチーム環境も本人にとって後押しになるはずである。

 左の中継ぎ候補としては斉藤大将(明治大)と東克樹(立命館大)の大学生二人が挙げられる。ともに球威は目を見張るものはないがともに制球力と変化球に特長があり、リリーフとしての経験があるのも頼もしい。3位以下で獲得できるならぜひおすすめしたい投手である。

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