マイナス金利時代にはお金を増やす工夫をするとともに、お金を減らさない工夫をすることも大切。週刊朝日MOOK「定年後のお金と暮らし2017」で、節約アドバイザーの丸山晴美さんに、メリハリのある消費で楽しく暮らす「超節約術」を聞きました。
丸山晴美(まるやま・はるみ)
ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を持ち、自らの体験をもとに、家計を総合的にスリムにする「ケチではない楽しい節約術」を提案。著書に『オトナ女子のためのお金の基本200』(宝島社)など。
■メリハリをつけた消費で長続きする節約生活を
いつの間にかお金がなくなるというのは、お金の使い方にメリハリがなく、日々の出費にもムダが潜んでいることの表れです。定年前後の世代にとって、今後は日々の生活にかかるお金をサイズダウンしていくことが重要課題になります。昔のように給与が上がり続けることは望めず、退職後も65歳までの数年間、再就職したとしても収入が減少するからです。
節約と聞くと家計を切り詰めて我慢するイメージがありますが、本来は生活費のムダを省き、浮いた分をしかるべき出費に充てるのが目的です。まずは出費をチェックし、生活のどこにムダがあるかを洗い出しましょう。
節約慣れした若い世代と違って、高度経済成長やバブルを経験している世代には、長い間に培われた金銭感覚や生活習慣があり、いきなり生活レベルを下げることにストレスを感じるかもしれません。でも、いま使っている商品やサービスを見直し、より安いものに置き換えていく「替え活」なら、ストレスなくスマートにコストダウンができます。 なお、何もかも抑えようとすると、気持ちも暗くなり、続かないもの。節約するところとお金をかけるところを分け、メリハリをつけるといいでしょう。
■通信費はまずは料金プランを見直す! 格安スマホも選択肢のひとつ
物価が下がるデフレ傾向が続く中、逆に上がり続けているのが、スマホやインターネット接続などにかかる通信費です。この分野は日進月歩で技術革新が進み、新しいしくみやサービス、料金プランを利用することで、コストを下げられます。
たとえば、大手携帯キャリア会社のスマホを格安スマホに変えるだけで、月8000円以上かかっていた料金が2000円程度ですむケースもあります。
また、料金体系も常に変化しており、利用状況にマッチしていないプランを続けていると損するケースも。心配なら携帯電話会社の窓口で、自分に合っているかを診断してもらい、プラン変更や使っていない有料オプションの解約を検討しましょう。
ただし、契約やプランの変更には、いわゆる「2年縛り」の契約期間により、時期によっては解約料を取られる場合があります。解約料と新契約によるメリットを比較して決めましょう。