楽天・オコエ瑠偉 (c)朝日新聞社
楽天・オコエ瑠偉 (c)朝日新聞社

 パ・リーグにもブレイク候補が目白押しだ。

 今季10年ぶりの日本一に輝いた日本ハムには、未完の大器と言われて久しい和製大砲、大田泰示が巨人からトレードで加入した。ドラフト1位入団からここまでのプロ8年間で計9本塁打という結果は、ファン以上に本人が最も納得していない。まだ26歳。すべては本人の努力次第になるが、今回の移籍をキッカケにして大きく羽ばたきたいところ。セ・リーグからパ・リーグに変わることも“本能型”の大田にとってはプラスに働くだろう。

 ソフトバンクには才能豊かな若手が多く所属しているが、その中で今秋に一気に注目度を上げたのが、将来の4番候補である真砂勇介だ。京都・西城陽高からドラフト4位でプロ入りして今季が4年目。チームの分厚い層に阻まれて1軍出場はないが、今季はウエスタンで90試合出場、打率.295、7本塁打、44打点と成長の跡を見せた。そして11月に行われたU-23ワールドカップでは侍ジャパン不動の4番として出色の存在感と働きを披露。チームが初代王者に輝く中でベストナインとともに大会の初代MVPにも選ばれた。大舞台で魅せた勝負強さと経験は、今後に必ずや活きてくるはずだ。

 ロッテにも楽しみな逸材がいる。走攻守にセンスあふれる平沢大河である。高卒1年目の今季は、1軍23試合に出場して打率.149に終わり、2軍でも81試合に出場して打率.212、7本塁打、34打点、1盗塁。守備でも粗さが垣間見えるなど、壁にぶつかった感があるが、多くの経験を得て自らの課題を実感できたことは大きなプラス。キッカケさえ掴めばケチャップのようにドバドバとヒットが出るはずだ。

 西武では、その「ゴールはケチャップみたいなもの」の語録でも有名なサッカー界のスターと同姓同名の本田圭佑がブレイクの兆しを見せている。プロ1年目の今季は2軍で19試合に登板して5勝2敗、防御率5.27。春先はプロのパワーとスピードに戸惑いも見せたが、この1年間で見事な伸びを見せ、9月には1軍デビューも果たした。そして11月には前述した真砂らとともにU-23代表の一員として世界制覇に貢献。先発2試合と決勝戦での好救援で投手陣の中ではMVPとも言える働きを見せた。来季の開幕ローテーション入りも期待できる。

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