介護の問題は家族の問題であり、夫婦の問題でもあります。夫婦関係がよければ、それほど介護でもめることはありません。以心伝心を期待せず、できないことははっきりと伝え、自分の健康と生活を第一に考えるようにしてください。あなたの苦しさを夫が理解して受け止めてくれるならば、これから長く続く夫婦の生活は心穏やかなものになると思います。

【お悩み その4】どのくらいの頻度でホームに面会に行けばいい?(50歳男性)
 母は実家で一人暮らしをしています。最近、ケアマネジャーから「認知症が進んできた」と言われたので、私たち兄弟で話し合って、母には郊外の老人ホームに入ってもらうことにしました。私も弟も仕事が忙しく家庭もあり、頻繁にホームを訪ねることは難しいのですが、一般的にどのくらいの頻度で面会に行けばよいのでしょうか。

【回答】
 毎日のようにホームを訪ねる家族もあれば、めったに顔を出さない家族もあるので、一概にどのくらいとはいえません。どの家族にもそれぞれの生活があります。必要があればホームのほうから連絡がいくでしょうから、無理はしないことです。

 ただ、たとえお母さま自身が納得してホームに入ったとしても、知らない人に囲まれて暮らす寂しさはあるはずです。家族の顔を見るだけで安心されるでしょうから、どうぞ回数にこだわらず、都合のいいときに顔を見せに行ってあげてください。訪ねたときには、外に連れ出してあげたり、一緒に食事したりすると喜ばれると思います。事前にホームに申し出れば、家族の食事も用意してもらえます。  

 入居に際して、わからないことは決して抱え込まず、ホームに相談しながら少しずつなじんでいかれるのがよいでしょう。

 現場の職員とコミュニケーションを取ることで不安が解消されることは数多くあります。

※週刊朝日ムック『高齢者ホーム2017』

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