ホームにもいろいろな場所があります。不安な点は正直に伝えれば、相手の力量がわかることもあります(※イメージ写真)
ホームにもいろいろな場所があります。不安な点は正直に伝えれば、相手の力量がわかることもあります(※イメージ写真)
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「有料老人ホーム・介護情報館」館長の中村寿美子さん
「有料老人ホーム・介護情報館」館長の中村寿美子さん

 散々苦労してようやく老人ホームに入居できても、そこから発生する問題も多くあります。そこで、週刊朝日ムック『高齢者ホーム2017』に掲載した、「有料老人ホーム・介護情報館」館長の中村寿美子さんの「介護のお悩み相談室」を特別に公開。中村さんにさまざまな悩みに回答いただきました。

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【お悩み その1】母が老人ホームから退居したがっている(56歳男性)
 有料老人ホームに入居したものの、母はことあるごとに「家に戻って気ままに暮らしたい」と訴えます。そんな母がふびんです。経済的な援助は私がするので、母の思うようにさせてあげたいのですが、それまで面倒をみてきた姉と妻は「一人暮らしは無理」と取り合ってくれません。こういう場合、どうするのが一般的なのでしょうか。

【回答】
 現在お母さまが元気にお過ごしなのは、安全で環境の整った場所にいて、24時間職員の見守りがあってのことと思います。「一人暮らしは無理」という周囲の意見は、自宅に戻ったところで、家族が振り回されるのが目に見えているからではないでしょうか。

 入居しているホームの質が悪ければ別ですが、多少の愚痴は聞き流して、買い物や美容院など外に出る楽しみを考えてあげるのもひとつの方法です。もっとも、あなた自身が介護離職をしてでも、100%お母さまの面倒をみると腹をくくるのであれば形勢も変わってくるでしょう。

 ただし、この先20年、30年と続く自分たち夫婦の生活に目を向けることもお忘れなく。

 冠婚葬祭のようなことであれば世間の常識という判断も可能でしょうが、「暮らし方」に常識はありません。あくまでもご家族で話し合ったうえで決めるのがよいと思います。

【お悩み その2】母がホームでほったらかしにされている(66歳女性)
 認知症の母を一人で見てきましたが、親戚の勧めもあって、母には有料老人ホームに入ってもらいました。ところが、母はいつもほったらかしにされているようです。ホームに文句を言ってもよいものでしょうか。

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