その2日後、デュエット種目では観客席で応援していたその他のメンバーが、乾と三井の2人とともにチームとしてテクニカルルーティンに登場。その表情は、「乾、三井に続いて私たちもメダルを」という決意に満ち溢れていた。最終の演技順だった日本は、和太鼓のリズムに合わせて一糸乱れぬ演技を披露し、93.7723を獲得して3位につけた。
そして迎えた競技最終日のフリールーティン。この日も演技順は最終の8番目。4位につけていたウクライナは合計188.6080で、先に演技を済ませた。
日本はデュエットと同じく、五輪のために用意したプログラム『AMATERASU~輝く夜明け』を舞う。6つにも及ぶリフトを成功させ、会場からは手拍子が起こる。また、演技終盤の苦しいところで潜ったままで行う長時間の足技には、会場からさらに大きな手拍子が起こり、会場すべてが日本を祝福しているようだった。
フリールーティンの結果は、95.4333。合計得点が189.2056と発表され、3位が確定した瞬間、演技を終えた選手たちは涙を流し、笑い、感情を爆発させた。
日本のお家芸復活の瞬間だった。だが、楽観視はできない。ウクライナとの差は1ポイントもない。銀メダルの中国とは、3ポイント以上離れている。課題はまだまだ残されているが、今ばかりは、彼女たちのはつらつとした美しい演技の余韻に浸り、銅メダルの喜びに酔いしれたい。(文・田坂友暁)