軽い生地でしっかりとクリームを巻き込んだ、ロールケーキ2種。白いほうがプレーンで、茶色いほうがショコラロールケーキ(撮影/川上輝明[bean])
軽い生地でしっかりとクリームを巻き込んだ、ロールケーキ2種。白いほうがプレーンで、茶色いほうがショコラロールケーキ(撮影/川上輝明[bean])
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「クラウドブレッド」をご存じでしょうか? 2年ほど前から欧米のSNSやインスタグラムで話題になっている、小麦粉を使わない低糖質の新しいパンです。

 お菓子研究家の吉川文子(ふみこ)さんがクラウドブレッドに出合ったのは、アメリカに住む友人から送られてきた写真でした。名前のとおり雲のような形で、パンケーキにもおせんべいにも見えて、おまけにグルテンフリーで発酵不要だなんて……。興味をそそられた吉川さんはさっそくクラウドブレッド作りに挑戦します。

 不思議な食感と、ルールのない自由さにすっかり魅了された吉川さんは、とうとう日本初のクラウドブレッドレシピ本『CLOUD BREAD クラウドブレッド』(朝日新聞出版)の監修まで手がけることになりました。

 グルテンフリーで低カロリー、低糖質。パンとしてだけでなく、スイーツとしても楽しめるクラウドブレッドの魅力を伝えようと、東京・京橋の明治屋で開催された「明治屋のジャムと缶詰で楽しむクラウドブレッド」の試食会では、吉川さんが実際に基本のクラウドブレッドの作ってくれました。

 基本の材料は、卵、きび砂糖、クリームチーズ、ベーキングパウダー(グルテンフリーのものを選ぶ)の4つだけ。しかも砂糖は生地を甘くするためではなく、焼き色をきれいにつけるためのものなので、糖質オフにする場合は省いてもいいのだとか。作り方も、これらの材料を混ぜて焼くだけなので、だれでも簡単に作ることができます。

 会場では、基本のクラウドブレッドが焼き上がるまでの間、天板いっぱいに焼いた1枚の大きな生地を使って、ロールケーキ作りを実演。クラウドブレッドはスポンジと違い、クリームとの密着度が高いので巻きやすいといいます。オーブンシートを巻き簾代わりにしてクルッと巻いたら、冷蔵庫で15分くらい休ませます。そうすると、切りやすくなるのだとか。

 そうこうしているうちにクラウドブレッドが焼きあがりました。こんがりときれいな焼き色がついています。水分が多いく、時間が経つとはがれにくくなるため、すぐに裏返してオーブンシートをはがします。はがれにくい場合は焼き時間を1分延ばすといいそうですよ。たくさん焼いて冷凍保存することもでき、解凍も室温に5分ほど置いておくだけと、簡単なのもうれしいですね。

 待ちに待った試食では、オープンサンド式にマグロやオイルサーディン、豚のバルサミコソース、コンビーフなどのタンパク質系にハーブなどをのせたオードブル風から、りんごジャムとカマンベールチーズにくるみを載せた大人のデザート風だけでなく、先ほど吉川さんが実演してくれたロールケーキもあり、見た目もおしゃれでしかもおいしい! そして食感は、やっぱりフワッフワでした。

 気になるカロリーは、基本のクラウドブレッド(直径約9センチ)1枚で約38kcal、糖質0.6g。カロリーも糖質も低くて、簡単につくれるクラウドブレッド。ぜひチャンレジしてみください。