試合が実現すれば、ナイジェリアのコンディションがベストとは到底思えないだけに日本にとってはチャンスだ。国民的英雄でボランチのポジションから試合をコントロールするミケルを大島と矢島、遠藤のトライアアングルで封じれば、ナイジェリアの攻撃力も半減する。あとは中島、南野のサイド攻撃と、後半はジョーカーである浅野のスピードでゴールを狙いたい。

 68年のメキシコ五輪で、日本は初戦でナイジェリアに勝って銅メダルを獲得した。96年のアトランタ五輪では、初戦でブラジルに勝ちながら第2戦でナイジェリアに敗れてグループリーグで敗退。そしてナイジェリアは金メダルに輝いた。だからこそ手倉森監督も「メダルは初戦で勝ち点3を取れるかどうかが大きい。ナイジェリアがメダルへの全てだという覚悟を持って臨みたい」と力説する。そのために、これまで2年間、手倉森ジャパンは周到な準備を重ねてきた。メダルへのキックオフ(日本時間5日10時予定)まであと21時間。リオで48年ぶりの表彰台、そして2020年東京五輪へと続く戦いが始まる。

【ブラジル・マナウス】=サッカージャーナリスト・六川亨