開幕スタメンの目玉だったドラフト1位ルーキーの高山俊、高卒3年目の横田慎太郎の1、2番コンビは、横田の不振でわずか12試合で立ち消えとなった。その後も江越大賀、陽川尚将、北條史也、板山祐太郎、中谷将大、さらに育成から昇格した原口文仁など、続々と若手選手を起用しているが、レギュラーの座を勝ち取った選手はまだいない。
球団から「2年連続最下位でもいい」と言われ、三顧の礼で迎えられた金本監督への周囲の評価も、負けが込むにつれ、微妙に変わり始めている。投手起用に関しては、7月8日の広島戦で先発した藤浪を敗色濃厚の展開にもかかわらず、161球を投げさせたことで懲罰起用と言われるなど、賛否両論の声が巻き起こった。
試合後のコメントでも、選手を名指しで非難することがしばしばあり、問題視する向きもある。特にやり玉に挙げられることが多いのが鳥谷だ。13年からチームキャプテンを務める鳥谷だが、闘志を内に秘めるタイプで、周囲からは覇気がない、と評されることも多々あった。そんな鳥谷に対して、金本監督は就任直後に、「全部ダメだ。お前が先頭に立って、けん引しないとチームは変わらない」と告げたと、鳥谷自身が自著で明かしている。春季キャンプでは、これまでになく大きな声を出し、先頭に立ってチームを引っ張る姿勢をみせたが、シーズンに入るとかつてない絶不調で、自身、そしてチームの結果にはつながっていない。