グランプリ(GP)シリーズ日本大会(NHK杯)女子フリー、演技を終えた直後の浅田は、納得がいってないというか、少し悲しそうな表情を見せた。
16歳で日本大会(NHK杯)初優勝したときと同じ長野の会場、25歳になった浅田は、大人の演技で観客を魅了した。が、浅田の代名詞といえるトリプルアクセルは不発に終わり、いまいち盛り上がりに欠ける演技であったことは否めない。
試合後は「いい演技をして恩返しをしたかったが、それができなかったのが私自身すごく残念。GPファイナルに向けて、新たな気持ちでのぞみたい」と語った。
浅田は、GPファイナルを4度制しており、今回優勝すれば、往年の名選手イリーナ・スルツカヤ(ロシア)を抜いて、歴代最多優勝となる。
その浅田の前に立ちはだかるのは、やはりロシア勢。なかでも今年、シニアデビュー初戦のアメリカ大会でいきなり優勝したエフゲニア・メドベデワに注目したい。
ショート(SP)では、ジャンプ3つをすべて後半にもってくる攻めの構成。また、16歳とは思えない優美な演技力で、206.01点の高得点をたたき出した。次戦のロシア大会では惜しくも2位となったとはいえ、得点は、前回大会よりもわずかに上回り、206.76点と自己ベストを更新している。
浅田自身も15歳のとき、シニアデビューとなった2005年のGPファイナルで最強の女王スルツカヤを破って初優勝、世界中を驚かせた。