「熟女バーなんてどうだろうか?」

 そういえば、わたしの知人で70歳でもスナックで働いている女性がいる。

 彼女は、雇われママ。こんな話をしてくれたことがある。

「単身赴任のサラリーマンの話を聴いてあげて、一緒に歌ってあげたら喜ぶの。何よりも、わたしは、乾きものを出さないの。ひじきとか、いろいろ煮物を作って出してあげるの。それは、わたしの持ちだしよ。でも、みんな、『ママの店に来ると落ち着くの』と、言ってくれるわ」

 この仕事ならできるかも。

 ちなみに、わたしは、煮物も得意だし、ぬか漬けも自分で作っている。もちろん、カラオケは好き。

 また、わたしの仲間のおばあちゃん。

 80歳になってもショットバーを経営していた。

 彼女は、こう言っていた。

「うちは、カクテルなんて洒落たものはないわ。焼酎とかウィスキーの水割りだけ。つまみも乾きもの。でも、一人で2軒目、3軒目にちょこっと飲んで帰る場所でいいの」

 こんな店もいいかもしれない。

 できれば、大好きな日本ワインも置こうかな。

 妄想はどんどん広がっていく。

 こうした仕事を老後に細々とやっていたら、贅沢はできないかもしれない。けれども、豪邸とかには興味ない。

 どころか雨風しのげたらかまわない。

 だとすると、住み込みで働くのもいいかなあ。パチンコ屋さんや旅館などで。

 他にもできそうなことないだろうか。

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