『修造チャレンジがなかったら、今の自分はいない』
プロテニスプレイヤー・錦織圭選手は書籍『ダウン・ザ・ライン』の中で、元師匠である松岡修造さんとの“出会い”についてこう語っている。世界で活躍できるテニス選手を育成するため、松岡さんが立ち上げたトップジュニアキャンプ「修造チャレンジ」に錦織選手が参加したのは、今から14年前の2001年、11歳のときのことだ。
「修造チャレンジ」での松岡さんの熱血指導ぶりはあまりにも有名な話。2001年での合宿でも、松岡さんの叱咤に、錦織少年が涙する場面も多々あったという。
25歳となった錦織選手は、当時をこう振り返る。
「修造チャレンジは自分の中でかなり大きかった。いや、むちゃくちゃ大きいと思います。やっぱり、世界という、めざすところは何かというのをここで明確にしてもらった。(中略)テレビカメラが回っているし、修造さんの性格もあって、よりシリアスな感じで話してくれたおかげで、自分たちも本気になった。誰しも怒られたくはないので、見返しいというか、自分の強さを見せたいという思いもあった」(同書より)
当時、コート上では内気な性格そのものだったという錦織少年。そんな彼に精神面や表現力は厳しく指導した松岡さんだったが、技術面で手を加えることは自重したという。
松岡さんは当時をこう振り返る。