“超”がつくほどの高級品である。高級ブドウ「ルビーロマン」が、金沢市中央卸売市場で7月上旬に行われた初競りにおいて、1房100万円の高値がついた。1房26粒、1粒がおよそ3万8462円……たった1粒でサラリーマンの1カ月のお小遣いにも相当する。
ルビーロマンは、石川県が改良を重ねて、2007年に品種登録されたブランド品種だ。そのルーツは、「藤稔(ふじみのり)」という濃い紫色の大粒のブドウから採取した種400粒を育てたところ、4本が赤い実を付けたことに始まる。石川県内では約120人が生産しており、今年の出荷数は過去最多となる1万8000房を見込んでいる。出荷のピークは8月で、粒の直径が4センチ以上の商品もお目見えするとか。粒がそろい、房の形がきれいな逆三角形で、傷一つなく、美しい色の、特に優れたものは「プレミアム」として、さらに値段が跳ね上がる。全体の約7割が石川県内で販売され、残りの約3割が首都圏や関西のデパートなどに出荷されるという。
実際、普段はいくらで販売されているのか? ルビーロマンの取扱店は全国で四十数店ある。東京・銀座にある専門店に聞いたところ、入荷は8月中旬の最盛期のみで、店頭価格は1房2万円から3万円だ。ルビーロマンの地元・金沢市内のフルーツ専門店に通常の販売価格を聞くと、現在、店頭価格は1房500グラム以上の化粧箱入りで4万円、500グラム未満のトレー入りは2万円とのこと。2万円の商品でも1粒769円……。最盛期となるお盆前後には品数がそろうため、もう少し価格は下がる。例年だと、店頭価格は1房8000円から1万円、1粒では308円となる。狙い目はこの時期だ。
いったいどんな人が買うのだろうか。
「いかにもセレブという方が購入されていきますね。お盆前の価格が最も手ごろになったころ、贈答用に購入するケースが最も多いです。四国に住むお客さまで『プレミアムが出たらぜひ購入したい』と予約されている方もいます」(前出の金沢市内のフルーツ専門店)
どうやら、年々、全国でその知名度は高まっているようだ。肝心の味はどうなのか?
食べたことがある地元・石川県人に聞くと、「濃い紫色のブドウにある渋味がなく、女性受けする甘みがしますね。ワインのような風味が漂い、香り高く、くせのない甘さです」とのこと。
やはり、一度は食べてみたいかも!?
(ライター・若林朋子)