年齢を経てますます大切なのは、毎日を機嫌よく過ごす力「ごきげん力」ではないでしょうか。
人生いいこともあれば、悪いこともある。馬が合う人もいれば、合わない人もいる。でも、どんなときでも「ごきげん力」さえあれば、大丈夫。
元吉本興業の名物マネージャーで、現在、「笑い」や「元気」などをテーマに年間300回ものセミナー・講演を行う大谷由里子(51歳)さんがお送りする「ごきげんに生きるために大切な習慣」。
大人気イラストレーターの上大岡トメさんのコラボ4コマも同時連載中です!
* * *
わたしは、幼い頃から母にこう教えられた。
「嫌なことがあったら、ぐっすり寝たらいいねん。朝になったら忘れてるから」
だから、嫌なこと、つらいことがあると、とりあえず寝るようにしている。
不思議なもので、朝になったら悩みなんて忘れていることもよくある。
それどころか、悩んでいたことさえ忘れていることもある。もちろん、そんな楽な悩みばかりじゃない。
それでも、一晩寝るだけで前向きな考えになったり、新しいアイデアが出てくることも結構あった。
だから、どうしょうもないとき、とにかく、寝るようにしている。
阪神大震災の時もそうだった。当時、イベント会社を経営していたわたしは、たちまち資金繰りに行き詰った。
入ってくるお金が無くても、出て行くお金はいっぱいある。
社員に給料も払わなければならないし、社会保険もコンピューターのリースも払わなければならない。
毎日、怖かった。
「いつ、終わるのだろう」
「どこまでお金に追われるのだろう」
そんなことを考え出すと眠れなくなる。だから、とにかく体を動かした。
神戸まで歩いて行ったり、会社の掃除をしたり、会いに行けるお客さんにはどんどん「お見舞い」と言って会いに行った。
体を動かすと眠れる。
そして、明るく元気にお客さんのところに行くと、
「君の会社、大丈夫か?」
「支払い、早めてあげようか?」
など、優しい言葉をかけてくれるお客さんにたくさん出会った。
たくさんのお客さんに助けてもらった。
そして、お客さんに言われた。