大学合格発表から約3カ月が経った。複数の大学に合格した学生も多いが、彼らは最終的にどの大学を自身の進学先に選んだのか。

 主に私立大学では、1人の生徒が複数の大学や学部・学科に受かるケースがままある。そこで、週刊朝日では、先の5月18日号で、1人の生徒がA大学の複数の学部・学科に合格した場合でも「1」とカウントし、その高校からA大学に実質的に何人が合格したのかを示す「全国トップ1535高校の『実』合格者数」データを公表した。

「実合格者数」は、1人がA大学の複数の学部に合格しても「1」だが、1人がA大学、B大学に合格すると、それぞれに「1」とカウントされる。最終的にその受験生がどちらの学校を選んだのかは、今回公表する「進学者数」で推測することができる。

 A大学が早稲田大、B大学が慶應大だった場合、合格者はどちらの大学に進学するのだろう。両大学は私大の両雄、受験生には人気が高いが、実合格者数と進学者数を比べてみると、首都圏では、慶應大のほうが、合格して他大に行かずにそのまま進学する「歩留まり」が高い高校が多いようなのだ。

 両大学への進学者数の多い高校のいくつかで、実合格者数と進学者数を比較して、歩留まりを推測してみた。

 都立日比谷(早大39%、慶大48%)、芝(早大38%、慶大48%)、攻玉社(早大33%、慶大49%)、渋谷教育学園渋谷(早大42%、慶大63%)、桜蔭(早大28%、慶大34%)、頌栄女子学院(早大62%、慶大85%)......といった具合だ。

 この傾向について、大学受験動向に詳しい大学通信ゼネラルマネージャーの安田賢治さんは次のように話す。

「慶應は入試科目が特殊なんです。早稲田は他大と併願しやすいオーソドックスな"私大型"ですが、慶應は国語がない代わりに小論文を課すなどユニーク。センター利用入試も行わず、個別入試のみ。受験準備も大変なので、結果的に第1志望率が高くなるのではないでしょうか」

※週刊朝日 2012年6月29日号

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