でもね、この先、「日本プロレス殿堂会」というものがうまく皆さんの賛同を得て転がってってくれればいいというのが最終目標だね。この歳になって、藤波選手も長州選手も猪木さんもそうですけど、色々な事があって、ここに至っているから、昔のようなトゲトゲしさがなくて皆いい歳になったなというのが正直なところ。ちょうどいい時に、この「日本プロレス殿堂会」の話が持ち上がったなと。

 これがもう少しでも若かったら、「俺をどうしてくれるんだ」とか「俺のことを舐めてんのかよ!」って言い出しかねない面々だからね。ここまでまとまったこと自体が奇跡ですよ(笑)。

 本当に皆が自分の事を振り返ったときに、プロレス界がちゃんとなっていってくれればいいなと思っている年頃でもあるし、キャリアも積んできた。俺らも、全日本とか新日本とかを背負って立っていたから、当時は同世代に対して「こいつには負けたくない」ってしのぎを削っていたけど、今は「余生は元気で過ごしてくれよ」って思う気持の方が大きい。

 これは俺たちの世代だけじゃなく、プロレス界の未来を語る上でなくてはならない事だと思うよ。俺たちの様にこんな身体を痛めつけて、それでも生きながらえてきて、最後に今までの人たちにも、これから迎える後輩たちにも何かを残してやれるんじゃないかっていうのが、俺の偽らざる気持ち。誰か一人が得をするって話じゃない訳だから。だから、目を曇らすことなく、ピュアな目でプロレスラーやプロレス界を応援してほしいなと思いますよ。

 こうした旗揚げをするとか人生で何かを決断するときに誰かに相談することはないね。決断を迫られたときの俺の究極の答えは「なにくそ!天龍源一郎がここで萎れてたまるか!」っていうこと。その言葉を噛みしめて自分で自分に鞭打って奮い立たせていた。

 皆からよく「反骨」って言われけど、叩かれれば叩かれるほど潰されれば潰されるほど、「ナニこの野郎!」っていう気持ちが倍以上になって湧いてくる。例えば、「右に行け」と言われて、右の方がいいのはわかっていながら左に行く。左を選んでしまったからには頑張るしかない。人間、行きついたところで歯を食いしばって頑張るだけ。

 そこはね、青山学院に行かなくてよかったなって(笑)。え?なにかって?両国中学校の同級生の三遊亭圓楽師匠は青山学院に進んだけど、俺は相撲界に行ってよかったなってことだよ(笑)!

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