ソフトバンク・松田(中央)の「熱男」パフォーマンス(C)朝日新聞社
ソフトバンク・松田(中央)の「熱男」パフォーマンス(C)朝日新聞社
西武・山川(左)の「どすこい」パフォーマンス(C)朝日新聞社
西武・山川(左)の「どすこい」パフォーマンス(C)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ソフトバンク・松田宣浩と西武山川穂高が本塁打を打った後のパフォーマンスを自粛すると表明したことが、大きな反響を呼んでいる。

【画像】笑顔で「どすこい」パフォーマンスする西武・山川

 日本野球機構(NPB)とJリーグが連携して設置した「新型コロナウイルス対策連絡会議」が3月12日に開いた会合で、感染症の専門医などでつくる専門家チームが試合を開催した際の指針を提言。観客の感染リスクが高い例として、

・立ったり座ったりなど集団での動きを伴う応援
・メガホンや大型の旗使用など
・ジェット風船
・トランペット、ホイッスルなどの鳴り物応援

 などを挙げた。そして、松田の「熱男(あつお)」、山川の「どすこい」など観客も一緒に大声で叫ぶパフォーマンスも「感染リスク高」と位置付けた。

 これを受けて、松田と山川は電話で話し合い、自粛を決断した。ただ、SNS上では、ファンから疑問の声がたくさん出ている。

「そもそも球場に観戦に来る時点で集団感染のリスクがある。パフォーマンスを自粛させても感染する時はするし規制が過剰すぎる」

「山川も松田も自分が納得していれば良いですが、正直な話『そこまでしなくても…』というのが率直な感想です。ジェット風船禁止は納得ですが、その他は臨機応変に考えれば良いのでは?と思いますね。あれもこれも禁止のオンパレードでは、球場に行くファンが減りますよ!」

 2人のパフォーマンスは、プロ野球を盛り上げるものとしてファンの垣根を越えて浸透していた。それだけに、自粛で寂しさを感じるのが正直な心情だろう。こんな意見もある。

「東日本大震災で自粛ムードが高まった時に、スポーツや音楽活動が様々な人たちを勇気づけた。自分たちが出来ることをしようと『絆』って感情が芽生えたけど、今回は全て自粛の方向になってしまい、先行きが見えずに時間だけが過ぎていく。状況が違うけど、こんな時だからこそ山川選手や松田選手には盛り上げて欲しい」

 ただ、ほぼすべてのスポーツイベントが延期・中止となっている背景を考えると、選手のパフォーマンスによる感染リスクに神経をとがらせる状況も理解できなくはない。当面は「我慢の応援」が強いられそうだ。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事