山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員
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写真はイメージ(Getty Images)
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「女性は特に気を付けたい尿路感染症」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 私ごとではありますが、先月の中旬のある日の日中に、急に眠気とだるさが全身を襲い、翌日には想像以上に全身の倦怠感が辛くなり、ベッドから起き上がれなくなるということがありました。

 時節柄、やはり新型コロナウイルスの感染を心配しました。ただ、咳といった呼吸器症状がないため、さすがに考えにくいと思っていましたが、念のため自宅で安静することにしました。数日経っても新型コロナウイルスを強く疑う症状はなかったため、病院を受診したところ「軽い腎盂腎炎(じんうじんえん)ですね」と診断されました。

 ある時、排尿後に「ツン」とした痛みがしばらく続くような感覚を急に自覚するようになり、そんな痛みと同時に、残尿感も残るようになりました。以前から、疲れが溜まっている時には排尿時の痛みや残尿感を感じることは多々あったので、「今回も時間が経てば症状もいつの間にか改善するだろう」と軽く考えていたのですが、最初に「ツン」とした痛みを感じた1週間後くらいでしょうか。

 高熱ではなく微熱程度であり、腰も何となく重い感じがするくらいでしたので、腎盂腎炎を疑ってはいませんでした。しかし、診断がつき、排尿後に「ツン」とした痛みや残尿感を少し前から自覚していたものの放置してしまったこと、そして水分摂取が足りなかったことやトイレを我慢しがちであったことを反省したのでした。

 腎臓や膀胱、尿管や尿道の炎症を「尿路感染症」と言います。主な尿路感染症は、膀胱炎や腎盂腎炎、尿道炎であり、クリニックでしばしば遭遇する疾患です。尿路感染症は、一般的に女性の方がなりやすいと言われています。その理由は、男性に比べて尿道が短いこと、そして男性と比較すると尿道の入り口が肛門に近い位置にあることが挙げられます。女性は男性よりも外から細菌が侵入しやすい構造なのです。

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放っておくと腎臓全体の炎症を起こすことも