今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が長引けば長引くほど、私たちの身体へどのような影響が及ぼされるのか、大いに参考になるのではないでしょうか。
チェスター大学のBuckley JP氏らは、デスクワークの人は1日に少なくとも2時間は立ったり、歩いたりするようにすべきであると言います。座りがちな日常は、代謝や筋骨格、精神状態などへ弊害をもたらすことが示唆されていることに言及し、座ったり立ったりすることを交互に繰り返すことの大切さを指摘しています。在宅勤務でずっと自宅にいるという方は、家の中でぜひ体を動かして見てください。
過去には、毎日30分以上歩くといった定期的な運動が死亡のリスクを減らしたという報告や、適度な有酸素運動(週に3日、40分程度歩く)が記憶や空間学習能力に携わる海馬の体積上昇や空間記憶改善をもたらしたということも報告されています。
私自身、クリニックへの出勤や食料品の買い出し、犬の散歩以外は、家に閉じこもる生活です。運動する機会が極端に減っていることを感じ、人通りを避けて犬の散歩の距離を長くし、自宅でもできるヨガを再開しました。疲れたときは配達を利用してしまいますが、可能な範囲で自炊するようになりました。
エクセター大学医学部のWhite氏らは、公園や自然の多い場所、運河など街なかや郊外の広々とした空間や海岸、農地、森林、丘陵、川などの野外で一週間あたり120分以上過ごす人は体調が良く、幸福度が高い、つまりより満ち足りていることが示されたと言います。野外や自然の多い場所で心も身体もリフレッシュできる日が1日も早く訪れることを願っています。