「安倍首相は公明党が連立離脱まで言う背後に二階氏がいると感じたはず。『二階氏が石破茂氏や公明党、野党と組み党内を割りかねない』という恐怖があるのです」(前出の自民党幹部)
前出の角谷氏は、政権の現状をこう分析する。
「『10万円給付』を麻生氏は嫌がっており、安倍首相はどうすればいいかわからない。岸田氏は相変わらず呑気(のんき)で動かない。それぞれがバラバラで、ガバナンスが機能しなくなりつつある」
安倍首相が方針転換を表明した16日には、政権中枢の不協和音を象徴するシーンがあった。官邸の内情を知る関係者がこう語る。
「報道陣が二階さんにマイクを向けた際、わざと岸田さんに譲ったんです。二階さんは『岸田は俺に何の相談もなかった』と怒っていたから、『岸田さんに大恥をかかせてやろうとしたのでは』との見方が強い」
コロナ禍は永田町の勢力図をも変えようとしている。(本誌・上田耕司/今西憲之)
※週刊朝日 2020年5月1日号