オプジーボやキイトルーダといった免疫チェックポイント阻害剤を使った治療をしている患者さんは、体調の変化に気をつけておく必要があります。発熱や息苦しさ、下痢が出現した場合は、新型コロナウイルスだけでなく免疫チェックポイント阻害剤による副作用も考えられます。また、体のだるさを感じる場合、免疫チェックポイント阻害剤による内分泌系の障害が起きている場合もあります。早期の治療が必要になることが多いため、症状が出現した際はできるだけはやく主治医への連絡が必要です。
2. アトピー性皮膚炎
処方されている薬が足りている場合、予約は延期可能なことが多いでしょう。ステロイド外用剤は急に中止するとリバウンドと呼ばれる急激な悪化を引き起こします。ステロイド外用剤がなくなった場合は、追加の処方をもらうことが必要です。この状況下では、電話診察が可能で薬も処方できる病院が増えてきました。通院中の病院に問い合わせてみてはどうでしょうか?
抗アレルギー剤に関しては、じんましんを併発していない限り、アトピーのほとんどの人が中断可能だと考えています。もし必要な場合は、市販で購入可能なアレグラFXやアレジオン、クラリチンEXを使ってみるのも手です。
保湿剤に関しても、薬局で購入可能です。普段処方されている保湿剤を持参のうえ、薬剤師さんに相談するのがいいでしょう。
重症患者さんが使用しているデュピクセントに関しては、新型コロナウイルス感染時の使用に関して指針が出ていません。また、論文での報告もありません。今後、どのように対応すべきかアナウンスが出るのを待ちたいと思います。
3. 乾癬(かんせん)
外用剤に関してはアトピーと同じように、ステロイドを使っている患者さんは薬が途切れないようにすることが大事です。
紫外線治療を受けている患者さんに関しては、コロナの流行期だけ外用剤に変更する選択もありかもしれません。
バイオと呼ばれている生物学的製剤を使用中の患者さんは注意が必要です。International Psoriasis Council(IPC)から注意喚起が出ています。生物学的製剤は新型コロナウイルス感染症を悪化させるリスクがあるため、感染した場合は中断もしくは延期が推奨されています。感染が確認された人はもちろん、発熱、せき、味覚障害など新型コロナウイルス感染症が疑われる症状がでた患者さんは主治医に報告のうえ、生物学的製剤の使用中断が望ましいでしょう。