4.膠原病を含めた自己免疫疾患関連
 プレドニンやプレドニゾロンといったステロイドを内服中の患者さんが多いと思います。ステロイドは免疫の機能を低下させるため、患者さんは新型コロナウイルス感染症が悪化しやすい危険性があります。そのため、感染予防はしっかり行う必要があります。しかし、怖がって薬を急にやめてはいけません。もともとの病気の悪化に加え、ステロイドを急に中止すると副腎クリーゼという病態を引き起こし、命に関わることがあります。薬が途中で途切れることがないように注意が必要です。

5. 水虫や感染症など
 水虫などの白癬菌は、治療を急がない人がほとんどだと思います。市販の水虫の薬でまずは対応するのでよいと思います。一方、水虫でもそこから感染を起こしてしまった場合、早急に治療が必要になります。水虫の周囲に赤み、腫れ、熱感、痛みが出現した場合は、感染を疑います。この場合はすぐに皮膚科へ受診しましょう。また、糖尿病を患っている人は水虫からの感染を起こしても痛みを感じず気がつかない場合があります。必ず患部を確認し、赤く腫れてないかチェックすることが望ましいでしょう。

まとめ
 私が皮膚科の外来をしていて相談が多かった病気や治療法について、新型コロナウイルス流行下にどう対処したらよいかの私見を書かせていただきました。

 全般に言えることですが、基本は迷ったら主治医と相談です。症状や基礎疾患で対応は大きく変わります。基礎疾患をお持ちの患者さんは不安が多いと思いますが、必ず主治医と相談して受診が必要かを確認してください。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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