新型コロナウイルスにより、子どもたちと自宅で過ごす日々が続くご家庭も多いのではないでしょうか? 私の運営している保育所では、緊急事態宣言による特別保育へと、先日移行しました。親御さんのことを思うと、仕事ができないことも、仕事をすることもどちらも不安なことでしょう。現在保育所には、仕事を休むことができない職種の家庭の子どもだけが登所しますので、人数はいつもの半分以下。何とも寂しい日々が続いています。緊張感が続く保育の日々ですが、私はこの状況を逆に「チャンス!」ととらえ、子どもとの関わり(遊び)をより一層丁寧に取り組むことにしました。今回は、さまざまな関わりの中のひとつ「絵本」の読み聞かせについてお話します。ぜひ、子どもとの時間が増えた今こそ、絵本の読み聞かせをしてみましょう。
●絵本の読み聞かせの大切なこと
幼いころ、寝る前の布団の中で父母が毎晩、決まって絵本を読んでくれました。何度も何度も同じ絵本を読んでもらい、親と一緒に絵本の世界に入っていったことを鮮明に覚えていますし、「私、めっちゃ愛してもらってたなあ」と、今でも心がポッと温かくなります。
絵本の読み聞かせで一番大切なことは「子どもと一緒に絵本の世界に入り込むこと」。せっかくですので、恥ずかしがらず、子どもよりも親が絵本の世界にどっぷり入り込んでください。上手に読もうとする必要はありません。親がドキドキワクワクしながら読めば、子どももワクワクドキドキします。そして、親と体を引っつけて絵本を読むという経験は、子どもの心を安定させるのです。
●絵本を読み始める時期
絵本は「何カ月から読みなさい」というものではありません。おなかの中からスタートさせる方もいますし、生まれてすぐの方もいる。首がすわったくらいからの方もいます。3カ月ごろになると、首がすわり親のひざに座って遊ぶことができるようになります。視野が広がり周りにも興味を示し始めるので絵本を一緒に読みやすくなります。まずは、1ページに絵の割合が多い、文字の少ない絵本からスタート。カラフルな絵を見ながら一緒に楽しみましょう。物語がわかりはじめるのは3歳頃です。それまでは「読み聞かせる」というよりもスキンシップを取ることを重視して、気楽に楽しみます。絵本を読むときは、テレビやスマホはオフにして、絵本と赤ちゃんに集中することも大切です。