■月経、妊娠、更年期お血を治せば快適に

 お血があると、女性はかなり損をします。まず、月経のたびにつらい生理痛に悩まされることになります。

 子宮内膜症や子宮筋腫などのトラブルになる可能性もあるでしょう。生理不順になりがちなので、妊娠にも時間がかかるかもしれません。不妊治療を始めてもなかなか授からず、ようやく妊娠しても流産や早産の不安は尽きません。出産したあとも母乳が出にくい人、産後うつが激しくなる人もいます。

 さらに更年期になると、貧血、肩こり、頭痛、イライラなどのトラブルに見舞われやすくなります。日本女性の場合、ホルモンが原因のホットフラッシュよりも、お血が原因の更年期障害が多い傾向があると感じます。

 そうならないためにも、からだを冷やさないこと、そしてがんばりすぎないこと。疲れたら休み、思いっきりリラックスしましょう。それが「血のめぐり」を円滑に保つ秘訣なのです。(文・神 素子)

≪取材協力≫
邱紅梅(きゅうこうばい)医師
桑楡堂(そうゆどう)薬局顧問
北京中医薬大学医学部中医学科卒。中医師。大学病院で漢方の婦人科専門医師として勤務後、来日。東京学芸大学大学院で生理・心理学修士号を修得。2019 年より北京中医薬大学特任外国(海外)専門家に就任。現在は桑楡堂で漢方相談を行う。

※週刊朝日ムック『未病から治す本格漢方2020』より