強力ダイエー打線の主軸を務めた城島健司(右) (c)朝日新聞社
強力ダイエー打線の主軸を務めた城島健司(右) (c)朝日新聞社
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 野球は投手力。常々言われてきた言葉ではあるが、点取りゲームである以上、得点できないと勝てないのもまた事実である。近年では西武が2年連続でリーグ最下位の防御率ながら、“山賊打線”を前面に出して連覇を達成している。また何点取られても取り返す豪快な野球も魅力的であることは間違いない。そこで過去のシーズンから、歴代最高の打線はどの年のどの球団になるのか、探ってみたいと思う。今回はパ・リーグ編だ。

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 パ・リーグの歴史を振り返る中で外すことができないのはやはり西武の黄金時代と言えるだろう。1985年からの10年間でリーグ優勝9回、日本一に6回輝いたが、中でも打線が強力だったのは1990年になるだろう。

1番:辻発彦:112安打3本塁打39打点31盗塁 打率.266
2番:平野謙 119安打2本塁打42打点23盗塁 打率.267
3番:秋山幸二 122安打35本塁打91打点51盗塁 打率.256
4番:清原和博 134安打37本塁打94打点11盗塁 打率.307
5番:デストラーデ 125安打42本塁打106打点10盗塁 打率.263
6番:石毛宏典 107安打8本塁打47打点7盗塁 打率.298
7番:吉竹春樹 32安打1本塁打10打点3盗塁 打率.260
8番:伊東勤 103安打11本塁打43打点4盗塁 打率.281
9番:田辺徳雄 79安打6本塁打34打点8盗塁 打率.239

 4番の清原がキャリアハイとなる37本塁打、打率.307をマーク。出塁率と長打率でもリーグトップの数字を叩き出し、主砲に相応しい活躍を見せた。その前を打つ秋山も打率こそ低かったものの、キャリアハイとなる51盗塁をマーク。そして大きかったのが、このシーズンの前年に加入したデストラーデだ。AK砲の後ろの5番に座り、本塁打と打点の二冠を獲得する活躍を見せたのだ。西武の歴史の中でもこの三人を最強のクリーンアップに推す声は根強い。下位打線の迫力に欠ける点はあったものの、5人が二桁盗塁をマークするなど、機動力でも光るチームだった。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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黄金期の西武に負けない打線は?